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映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」 感想・レビュー

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今回の映画感想は「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」です。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」は2017年11月に公開されたアメリカのホラー映画です。

本作はホラー映画として歴代最高の興行収入を達成した作品です。さらに、ホラー映画というジャンルでレーティング指定がついた作品ながら、全米で初週No.1を記録すると徐々に記録を伸ばし、2017年に公開された映画では第3位のオープニング記録を達成したヒット作です。

有名な俳優が出ているわけでもなく、しかも万人受けするわけでもないホラーというジャンルでここまでヒットしたのは驚異的です。

そこで今回は、「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」がなぜヒットしたのか分析していきます。

また、2019年11月1日(金)に公開される続編「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」に向けて、鑑賞前に押さえて置きたいポイントを振り返っていきます。

この記事は本編の内容に関するネタバレを含みます。
まだ鑑賞していない方は一度ページを閉じて、本編を観ることをおすすめします。

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登場人物それぞれが抱える恐怖が描かれる

映画の中で登場人物を襲うのは「ペニーワイズ」というピエロでした。

ペニーワイズは本作の舞台となっているデリーという町に27年周期に訪れる悪魔で、その都度、事故や天災に見せかけては住人を襲っていました。

ペニーワイズが襲うのは子供や思春期の男女で、相手が恐怖を感じるものに姿を変化させます。

獲物となる子供たちは恐怖を与えるほど美味になることから、ペニーワイズは物を動かす力や幻覚を見せて子供たちを追い詰めていきます。

図書館に引きこもりがちなベン

ベンは太った体型が原因で不良たちからいじめを受けていた男の子です。

彼は転校してきたばかりで周囲と馴染むことができず、夏休みなのに図書館で本を読んでばかりの日々を過ごしていました。

図書館で学芸員の人に「外で遊んだら?」と言われてもずっと本を読み続けていました。

そんなベンは書庫に向かう風船についていったところで、ペニーワイズに襲われる恐怖を体験します。

これは、ベンの内心にある「ずっと本の世界にしかいられない」という恐怖を体現したものであると考えられます。

ベンはこの後、ルーザーズクラブのメンバーと出会い、彼らとともに行動することで、徐々に恐怖を克服していったように感じます。

黒人の少年マイク

マイクは両親を火事で失っており、町では祖父の精肉業を手伝っています。

彼の中には「選択肢がなくなってしまうこと」が恐怖としてあるのではないかと感じました。

そんな彼を襲ったのは、仕事場の扉から無数の手が出てきて連れて行かれそうになるという恐怖です。

扉から出ている手は黒く焼け焦げており、両親の命を奪った火事を思い出させます。

終盤では不良少年に襲われ、殺処分の際に使う銃を突きつけられます。ここで引っかかったのはマイクの祖父が言った「どちら側になるか」というセリフでした。

このセリフはなかなかヤギを殺すことができないマイクに向かって言ったセリフで、「殺す側か殺される側」のどちらになるかという意味合いで使われていました。

祖父の言葉が現実となり、「殺される側か殺す側どちらになるか」という状況に陥ってしまいます。

最終的には不良少年を井戸の底に突き落とし自分の命を守ったマイク。

一見すると恐怖に打ち勝ったように見えますが、命を奪ってしまった経験がその後の彼にどのような影響を与えたのかは気になるところです。

父親と二人暮らしのべバリー

本作のヒロインであるべバリーはともに暮らす父親から性的虐待を受けており、彼女に襲いかかる恐怖も女性という性に関係したものです。

ある日、バスルームから噴き出した大量の血が彼女を襲います。

この大量の血にべバリーは恐怖を抱くのですが、それは彼女が初潮を恐れていたと考えることができます。

父親から性的な虐待を受けていることもあって、身体への異変にはかなりの恐怖を感じていたと考えられます。

洗面台で髪を切るシーンあたりも、彼女が女性という性にあらがう心境が表れていたと思いました。

終盤では迫ってくる父親を撃退し、自身の恐怖を克服することができました(父親の容体が気になりましたが)。

弟を失ったビル

ルーザーズクラブのリーダー・ビルは、行方不明になった弟のジョージーを忘れらませんでした。

ビルを襲う恐怖は「家に帰ってもジョージーがいない」というものでした。
家の地下室ではジョージーの幻覚を見せられ、ペニーワイズに襲われてしまいます。

ラストの場面でジョージーの幻覚と対峙し、自分の手で止めを刺すことで恐怖を克服するシーンは胸が熱くなりました。

ペニーワイズよりも怖いもの

本作ではペニーワイズが見せるさまざまな恐怖が子供たちを襲いますが、それよりも怖ろしいと感じたのは現実にある恐怖だと思いました。

娘に性的虐待をするべバリーの父親、息子に依存するエディの母親、不良少年ヘンリーに高圧的な態度をとるその父親。

子供たちにとって本当に恐ろしいのは、自分の身近にいる大人たちが振りかざす理不尽な言動であると伝えたかったのではないかと思います。

そして子供たちに恐怖を与える大人たちも、自分たちの中にそれぞれ恐怖を抱えていたはずです。

べバリーの父親は自分の娘が親元を離れてしまう恐怖や自身が抱える女性に対するトラウマが虐待という形で現れてしまったのではないかと思います。

恐怖を克服することができなかった人は、いずれ自らが恐怖を与える存在になりかねないのです。

LOSERからLOVERへ

腕を怪我をしたエディが付けていたギブスに書かれていた「LOSER(負け犬)」という文字。

これは薬局で働く女の子に「ギブスにサインが書かれてないなんて友達いないんでしょ?」といって書かれたものでした。

物語の最後で誓いを立てるシーンでは、これが「LOVER(愛する者)」に変化していたのが感動的でした。

恐怖におびえいてた「負け犬」たちは、自らの恐怖に打ち勝つことで「愛する者」になることができたのです。

赤い文字で書かれた「V」という文字は、勝利を表す「Victory」の頭文字。それはルーザーズクラブの勝利を表す意味を含んでいたのです。

彼らが恐怖に勝つことができたのも、共に恐怖に向き合った仲間たちがいたからだと思います。

そんな彼らが手を取り合って誓いを立てるシーンはとても象徴的で感動できるシーンだと感じました。

チャプター1では描かれなかった恐怖

主人公たちの少年時代を描いたチャプター1に続いて、2019年11月1日(金)にチャプター2となる「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」が公開されます。

そこで、続編の公開に備えてチャプター1で描かれなかった恐怖を振り返ります。

チャプター1で描かれなかったものとして挙げられるのは、ルーザーズクラブのメンバーであるリッチー、エディ、スタンリーが怖れているものです。

一応、ピエロだらけの部屋、感染したゾンビ、モディリアーニの絵といった抽象的な形で恐怖は描かれていました。

彼らが本当に抱えている恐怖についてはチャプター1では詳しく語られていなかったし、それを克服したと言えるようなシーンもありませんでした。

公式サイトの情報を見ながら考察していきます。

コメディアンになったリッチー

コメディアンになったリッチー

リッチーはお調子者という設定で、一見すると恐怖におびえているようなイメージはありません。

ペニーワイズが見せたたくさんのピエロも、隙がないリッチーに対しての最終手段として使ったようにしか思えないです。

ただ、大人になったリッチーがコメディアンとして活躍をしているという事実を踏まえると、チャプター1で見せたピエロが何かしらの伏線になっているようにも考えられます。

ビジネスマンとなったエディ

神経過敏のエディは不潔なものを毛嫌いする性格で、そこに付け入ったのがゾンビを見せるという演出だったのではないかと思います。

そんな彼が抱える真の恐怖というのは、過保護な母親だったのではないかと思います。

母親のもとを離れることができないという恐怖に、知らず知らずのうちにおびえていたのではないかと考えられます。

そして、大人になったらそれを克服できたのかといえばそういうわけでもなく、母と似た女性と結婚しているんですよね。

司祭を父に持つスタンリー

司祭を父に持つスタンリー

チャプター1の中でもあんまり深く語られなかったのがこのスタンリーだったので、気になって調べてみたところ、彼の父親は司祭だったことが分かりました。

そして、公式サイトにはユダヤ教の成人式を控えていたという記述がありました。

ユダヤ教では男子13歳、女子12歳で成人式を迎えることになっています。

ということは、スタンリーの父はユダヤ教の司祭だったということでしょうか。このあたりは定かではないのですが、このユダヤ教とスタンリーがおびえていたモディリアーニの絵がつながるのです

モディリアーニはイタリアの画家なのですが両親がユダヤ系のイタリア人でした。

これらの背景がスタンリーの恐怖にどう関係しているかは不明ですが、チャプター2を観る前に押さえておいた方がいいかなと思います。

まとめ:最高のジュブナイルものホラー

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」をまとめると"最高のジュブナイルものホラー”と言えます。

少年時代の恐怖に向き合いそれを克服するというテーマは、若い世代だけでなく大人にも刺さると思います。

ただ怖いだけでなくそこに深いメッセージが込めらえていることが、この作品がホラー映画歴代最高の成績をあげた要因だと考えます。

そして、11月には「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」が公開されます。

いよいよ。大人になったルーザーズクラブが帰ってきます。

続編を観る前に、チャプター1を復習しておきましょう。

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